カワイこどもピアノコンクールの審査をさせていただきました。
頑張れたこと、足りないことを気付かせてくれるのが、一発勝負である本番の舞台です。
熱のこもった演奏に耳を傾けながら、その両方を講評用紙に残せるようにと、頭と手をフル活動させました。
コンクールの審査では、完成度に関わらず、頭で弾いている演奏と心で弾いている演奏の違いがよく聴こえるものです。
頭で、「この音は強くならないように」「ここからフォルテで、左手をよく鳴らす」等、細かいことを考えながら演奏していると、聴いている人に、どこか窮屈な印象を与え、硬さを感じさせてしまいます。色々と考えながら弾くのは本番を迎えるまでの練習の間だけです。本番ではあまり細かいことを気にし過ぎない方が、弾き手も聞き手も、純粋に音楽に集中できるように感じました。本番で考えずとも、自然に表現できるようにするために練習をしていて、体に、手に、染み込ませているという考え方です。
会場で、レッスンの録音を聞いたり、注意書きが一杯の楽譜をチェックしたりして、頭の整理をすることは良いことです。ただし、いざ一歩舞台へ足を踏み入れたら、それら全てを取り払って、自由になること。練習で重ねてきたことは、どれだけ緊張していても発揮できると信じて、心を解放してほしいなと思います。
音色や技術面においてのコントロールは、無意識にはできないところがありますが、目の前の小節ばかりを考えて、音楽が小間切れにならないよう、遠くを見ながらゆっくりと歩みを進めていくようなイメージで演奏してみると良いかもしれません。
楽曲を自分のものにできている人の演奏には魅力があり、もう1度聴いてみたいな、という気持ちにさせてくれます。コンクールで審査をする際、そういうプラス要素で加点をすることが多いです。少しの気持ちのコントロールで、大きく演奏が変化するので、本番での演奏は頭ではなく、心を十分に開いて臨んでみてください。